画面の向こうに甘いKiss☆



しばらく教授の助手をしているとガチャっと研究室のドアが開く音がした。

私は基本的に教授がいない時以外は訪問客の応対はしないので、その音を無視して作業を続けていた。


「あっ!今日は撮影じゃなかったっけ?」

教授が陽気に問いかける。
誰かと思い、後ろを振り返ると…

――帽子に黒縁眼鏡をかけたJUNが立っていた。


今日は来る日じゃないのに、
タイミング悪いよ……。


「今日早めに終わったので。少し勉強を」


意外に真面目なんだよね、JUNって。
ドラマ撮影に、大学生活。
もちろん私が手伝っている部分もあるけれど、両立していくのは私の想像以上に大変そう。


「うんうん、JUNはいい子だねぇ。で、どうする?時東は俺の助手をやってもらってるから、今はダメだよ」


教授、私に気を遣ってくれてる……。


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