画面の向こうに甘いKiss☆
Rina子『そう。ハッチは貴方のこと、ずっとココで待ってたのよ』
そういえば……ハッチ、そんな事言ってくれてたっけ……。
嬉しかったなぁ。
ドリー『うん、それは……ハッチから聞いてたよ』
Rina子『なのに、実際会った時は冷たく接したんだよね』
!!!
え……なんでそんなことこの子が知ってるの?
焦る気持ちと共にキーボード叩く音が早くなる。
ドリー『そのこと、誰かに聞いたの?』
Rina子『ハッチに相談されてたのよ、貴方のことを』
――そうだったんだ……。
ハッチが私のことを……。
Rina子『ずっと思ってたんだけど、貴方自分のことばかりじゃない?もう少し相手の気持ちを考えたほうがいいわよ』
ドリー『…そうだね。今度からは気をつけたいと思ってる』
彼女の言う通りだ。
私は自分のことしか考えてない。
今日だって、教授の手伝いも、JUNの世話役も全部放り出して逃げてきた。
Rina子『ハッチは、ずっとバイトで忙しいって言ってた。だけど、貴方と話すのが楽しいから、それを糧にバイトに頑張ってたって言ってたのよ』
ドリー『うそ…』
バイトをしているとは言ってたけど、そこまで忙しいなんて聞いてなかった。
私と話すのが楽しいって思ってくれていたのはすごく嬉しい。
嬉しいけど、なんでだろう…。
心に何かが引っかかる。
Rina子『嘘を貴方についても仕方ないでしょ。私は、そのことを貴方に伝えたかっただけだから。じゃあね』
ドリー『え…っじゃあねって…!』
『Rina子さんが退室しました!』
パソコンの液晶画面に虚しくメッセージが表示された。