画面の向こうに甘いKiss☆
「!? JUN~。どうしたんだよ、大丈夫か?」
「……ごほっ……す、すいません」
変なJUN……。
「あ、私タオル持ってるから、使って」
「いいって!汚いから」
「そんなことないよ。気にしないで」
私がぐいっとタオルを差し出すと、渋々JUNはタオルを受け取ってくれた。
「……さんきゅ」
顔はそっぽ向いていて、声も小さかったけれど、確かに聞き取れた感謝の言葉。
私は胸が温かくなった。
「……わぁ」
「なんだよ」
「初めて、私にお礼言ってくれたね」
「!!!」
嬉しさに笑顔で答えると、JUNは魚みたいに口をパクパクさせている。
「な、なな……当たり前だろっ!!」
「……?はぁ……」
その当たり前のことを今までやってくれてなかったんだけどなぁ……。
距離が縮まったってことなのかな。
私も以前より苦手意識はなくなってきたし、良い方向に向かっていて嬉しい。