画面の向こうに甘いKiss☆
口元を緩ませていると、隣でずっと黙って唸っていた教授が口を開いた。
「分かったぞ……。時東……俺にしとけばいいんだ!」
「「はぁ!?」」
タオルで机を拭いていたJUNと声が重なる。
「2人して、そんな驚かなくてもいいじゃないか~。時東は俺みたいな包容力溢れる大人の方がお似合いだよ」
自分で包容力溢れるとか言っちゃってるよ……この人ってば。
「……コイツバカだ」
ぼそりとJUNが呟くと、教授は目を光らせた。
「あ~れ~?此処に匿ってあげてるのって何処の誰だっけー?」
意地悪そうにJUNを見る教授。
親の事務所のタレント相手に、そんな言い方しちゃって……。
――本当、子供の言い争いを見ているかのようだよ……。
でも教授らしいな。
「とにかく!冗談はやめてくださいよ、教授」
「ひどい。冗談じゃないのになぁ~シクシク」
悲しそうな顔で泣き“真似”をするその姿はどう見ても、冗談にしか見えない。