画面の向こうに甘いKiss☆

「本当だあ……、薔薇の模様が描かれていて、綺麗」

「でしょ?よーく見ないと気付かないよね、薄く彫られているから」

「……。由芽さ、一体どうしたの?なんか今日変だよ」


さすが美佳、鋭いよ。


「べ、別に?何もないよ……ただほら、毎日の出来事を視点を変えて楽しむってのもいいなー……なんて」


ぎこちなく笑う私。
だけど、言っていることは本当だった。

そう考えなきゃやってらんない。
身近なところに幸せを見つけないと、苦しくておかしくなりそうなんだもん。


「うそ。あえて、言わなかったけど、由芽の目腫れてるよ。まるで泣き腫らしたみたいに」

「……っ!!」


朝頑張ってファンデーションで隠したつもりだったのに。
アイシャドウは腫れぼったくならないグレイッシュブラウンをセレクトしたのに。


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