あの夏を生きた君へ
「…幼なじみだし、さ。」
だから何だよ?幼なじみだから何だよ?
耳を真っ赤にしてる悠の面倒くさいリアクションは、いちいちあたしをイライラさせる。
テメェで言ってテメェで照れてバカじゃねぇーの?
「止めろって言わなかったっけ?」
「え…?」
「“ちづ”って呼ぶなって言ってんじゃん。キモいんだよ!いい加減分かれよ!迷惑なんだよ!あたしに関わるんじゃねぇーよ!!」
分かってる。
悪いのは悠じゃない。
そんなこと始めから分かってる。
でも、こうでもしないとやってられない。
悠のせいで美季たちから睨まれた、
悠のせいで嫌がらせを受けた、
悠のせいで学校に行けなくなった。
そう思っていると、少しは楽になれたんだ。
だから、あたしは会うたび悠に辛く当たってしまう。