あの夏を生きた君へ




「…ッ訳分かんない!何なの!?」


「食い物を粗末にするな。」


「ウザッ!バッカじゃないの!?あーマジでヤダ!超イライラする!本当死んだほうがマシだわ!!」

あたしがそう言い放つと、彼は唖然とする。


「…今、何て言った?」


「はっ?あー死んだほうがマシってヤツ?」

あたしは嘲笑いながら言った。


「本当のことだけど。あー死にたい!死にたい!!死にたい!!」



始めは売り言葉に買い言葉だった。


でも、もうあたしの口は止まらなかった。

溜りに溜まっていた気持ちが抑えきれなくて溢れだす。


「あたし、長生きとかしたくないし!さっさと死にたいんだよねー。
生きてんのってめんどいし、怠いし、疲れるし。意味ないっていうかー!無駄っていうか!!」


「ちづ!!!」

彼が怒鳴る。

怒りと悲しみが、その表情に溢れていた。


「自分が…何言ってるか分かってんのか?」


「面倒くさっ!死ねよ。」


彼は言葉を失ったかのように、あたしを見つめる。



苛立ちと腹立たしさでいっぱいのあたしは、彼が幽霊だってことをまた忘れていた。



「死ねよっ!あー!あー!もう皆、皆、死んじゃえ!!死んじゃえ!!!」


叫んでいた。

ヒステリックな金切り声で、あたしは叫んでいた。


彼の視線が痛い。
きっと軽蔑されただろう。




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