あの夏を生きた君へ




みんな嫌だ。

みんな嫌いだ。

みんな死んじゃえ。



「もうヤダっ…もうヤダ!」


うわごとのように叫び散らしながら階段を駆け降りる。



頭が可笑しくなりそうだ。

いっそのこと可笑しくなってしまいたい。


「死にたい!…っ死にたい……。」



苦しい。辛い。恥ずかしい。
もう消えてなくなりたい。




廊下を突っ走って下駄箱を通り過ぎて外へ飛び出す。

そこで、後ろから腕を掴まれた。



「ちづ!」


追いかけてきたらしい悠は、また恐い顔をしていた。



「放せよっ!ヤダッ!」


「落ちつけって!ちづ!!」





ボロボロと涙が零れ落ちる。


自分がいつから泣いていたのかも分からなかった。



「ちづ!!」


悠は、次第に辛そうに表情を歪ませる。







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