あの夏を生きた君へ
「ゴメン!!俺のせいだ!!」
「煩いっ!!」
「あんなことになって!俺のせいだ!!」
煩い、煩い、煩い!
掴まれていた手を、あたしは無理やり振り払った。
「じゃあ死ねよっ!テメェなんか今すぐ死ねっ!!」
言った瞬間、悠は悲しそうな目をした。
それさえも腹が立った。
そんな目であたしを見るな。
そんな顔してんじゃねぇよ。
走りだしたあたしを、悠はもう追いかけてこない。
死んじゃえ。
死ね。
死にたい。
狂ったみたいに心が叫んでる。
窮屈だった。逃げ出したかった。
こんな場所で生きていたくなんかなかった。
苦しくて、苦しいことばっかりで。
辛いことばっかり、嫌なことばっかり。
あたしは上履きのままであることにも気づかずに、今にも泣きだしそうな空の下を走った。