あの夏を生きた君へ
その時、後ろに人の気配を感じた。
悠もあたしとほとんど同時に気づいて、そちらに目を向ける。
そして、もう一度、
「アイツだよ。」
と、言った。
そこにいたのは、愛美だった。
気まずそうに、困ったような顔をして立っていた。
「…愛美。」
どうして愛美が…?
あたしの疑問を察したかのように悠が口を開く。
「ちづがいなくなったって聞いて、もしかしたらと思って俺が言ったんだ。
そしたら、自分も探すって。」
「えっ!?」
間抜けな声が飛び出てしまう。
そのくらい、あたしにとっては予想外だったのだ。