あの夏を生きた君へ





お母さんを見据えて…
ゆっくりと、だけど正直に話した。




もちろん幽霊である幸生のことは言えないけど…。


ばあちゃんの大切なタイムカプセルを探していること、
だから神社へ行ったこと、
そしてあたしの決意。


ばあちゃんにタイムカプセルを見せてあげたい、という気持ち。




お母さん、それから悠も、黙ってあたしの話を聞いていた。




「見つかるかは分かんないけど探したいの!」


最後にそう言うと、お母さんは少し考えてから言った。


「ちづの気持ちは分かった。でも、どうして夜じゃないといけないの?」



うっ…確かに…。

どうしよう…幸生は夜の間しか見えない、
でも、それを言ったら幸生のことを話さなきゃいけない……。






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