あの夏を生きた君へ





「…今回はちゃんと話してくれたから、これ以上もう聞かない。お母さん、ちづを信じるわ。」


「お母さん!」


「でも、お母さんだけじゃない!お父さんもばあちゃんもちづを心配してること、ちゃんと頭に入れておきなさい。」


あたしは強く強く頷く。





「お母さん…ありがとう。」



それを聞いて、お母さんは微笑んだ。





その時、突然悠が立ち上がって言った。


「あの!俺も探すの手伝います!
俺がちづについていきます!」



すると、お母さんは、

「本当?おばさんも仕事があるからついていけないし助かるわ。」

と、瞳を輝かせる。


「悠くんが一緒なら安心ね」、なんてことまで言う始末。

おいおいおいおい…。



「ちづ、悠くんに迷惑かけちゃダメよ?」


「…はぁい。」






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