あの夏を生きた君へ





まさか…悠がついてくるなんて言いだすとは……。

本当に保護者みたいだな…。



そんなことを思ってるあたしの横で、二人は勝手に話を進めてるし…。



「悠くん、ありがとう。」


「いえ…探すなら人は多いほうがいいだろうし。」


「そうね。男の子は力持ちだし、悠くんは頼りになるしね。」



それを聞きながら、あたしは小さな溜め息を吐く。






「ちづ、大体どの辺りに埋まってるか分からないの?」


「ん?」


「神社だって広いでしょう、闇雲に探したってダメよ。」




お母さんが言ってることは最もだ。


神社の土をくまなく掘ってたら埒が明かない。






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