あの夏を生きた君へ





そういえば、そうだ。


あのホラーでオカルトな要素盛り沢山の神社なら誰も近づかない。

誰にも見つからない場所だ!



ということは、やっぱり神社に埋めたのか?



あぁ、だとしても範囲が広すぎるのは変わらない。




「タイムカプセルってさ、何かこう…目印を作ったり、目印がある所に埋めないかな…。」


悠がぽつりと言って、あたしは悠に視線を向けた。


「まぁ、俺だったらそうするなって話。」



目印か…。





考え込むあたしに、お母さんが思い詰めた様子で口を開く。


「ちづ、ばあちゃんに見せたいなら急いだほうがいい。」


「え?」


「…ばあちゃんね、もういつどうなってもおかしくないの。」






その一言で、あたしの頭の中は真っ白になった。















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