あの夏を生きた君へ






あたしと悠は土を掘り続けた。



ある程度まで掘って、何もなければまた土を戻していく作業の繰り返し。



もう何時間経っただろう。

身体はへとへとで、あたしたちを支えているのは気力だけだった。






「ちづー!何かあったぁ!!」


「え!マジで!?」




鳥居の前辺りを掘っていた悠のもとへ駆け寄る。


あたしたちは協力して、そこを集中的に掘り始めた。




手応えがあったのなんて初めてだ。




腕はパンパンで足腰も痛い。


どうか、見つかってほしい。





< 223 / 287 >

この作品をシェア

pagetop