あの夏を生きた君へ
あたしと悠は土を掘り続けた。
ある程度まで掘って、何もなければまた土を戻していく作業の繰り返し。
もう何時間経っただろう。
身体はへとへとで、あたしたちを支えているのは気力だけだった。
「ちづー!何かあったぁ!!」
「え!マジで!?」
鳥居の前辺りを掘っていた悠のもとへ駆け寄る。
あたしたちは協力して、そこを集中的に掘り始めた。
手応えがあったのなんて初めてだ。
腕はパンパンで足腰も痛い。
どうか、見つかってほしい。