あの夏を生きた君へ
しばらくすると、
「ストップ!」
と、悠が大きな声を出した。
悠はシャベルを置いて、手で掘り始める。
すると、何かが見えてきた。
あたしは懐中電灯の光を当てる。
緊張した空気が漂う中、
悠が土を払い、その何かに触れた。
「…どう?」
期待に胸を躍らせて聞くと、悠はぼそっと言った。
「…ダメだ。」
「え?」
「………石だ、コレ。」
肩を落とす悠、
あたしも溜め息を漏らす。
一体、神社のどこに埋めたのか…。