あの夏を生きた君へ
「待って!待って!!タイムカプセルはっ!?宝物ッ…約束したんでしょっ!?諦めんな!バカ!!」
泣きながら叫んだ声は夜空に吸い込まれていく。
すると、幸生の口が微かに動いた。
「…何…何!?ねぇ何て言ったの!?幸生!」
その瞬間、音もなく幸生の身体が弾けた。
幸生の身体は細かい粒子となり、散っていく。
それは、星の輝きに似ていた。
「幸生……やぁ…あ…。」
こんな急に……こんな…。
あたし、何も……。
何も言えなかった。
何も出来なかった。
もう、会えない。
そう思った途端、あたしが溢れた。
「幸生―――っ!!!」