あの夏を生きた君へ






ひらりひらりと舞う花びらの行方を目で追うと、花びらはある一ヶ所に集中して落ちていく。



それはハナミズキの下、
そこだけ雪が降り積もっているようだった。





あたしは悠と顔を見合わせる。





言葉にしなくても、
あたしたちは同じことを思っていたはずだ。







あの場所に、きっと……。

















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