あの夏を生きた君へ






何度となく転がりそうになって、ついには本当に転んだ。



派手に倒れ込んで痛みに顔を歪める。


起き上がると、肘に血が滲んでいた。



あたしは立ち上がり、また駆け出す。






何度転んだとしても、立ち止まるつもりはなかった。



あたしは、もう逃げない。

目の前にある、この一瞬と向き合って生きていく。


辛いこともあるだろう。

悲しいこともあるだろう。


死にたくなるようなことだってあるかもしれない。





でも、あたしはそれでも。





全力で。


全開で。



この世界を生きてやる!







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