あの夏を生きた君へ
「せっかく同じクラスなんだし、また色々言われたら俺が何とかするから。
だから、とにかく学校来いって。」
「余計なお世話なんだけど。」
ボソッと呟くと、悠は驚いたような顔であたしを見た。
「あたしがどうしようと成海には関係ないじゃん。
あと、“ちづ”って止めてくれる?超気持ち悪い。」
「何で、そんなこと言うんだよ?」
怒っているような口調で悠は言った。
傷ついた、みたいな顔をするから、あたしは反吐が出るほど腹が立った。
「キモいからキモいって言って何が悪いの!?何とかしてとか頼んでねぇし、寧ろあたしに関わんないでくれる?」
「俺ら幼なじみだろ!?」
「だから何!?あーもー本当死にたい!
いつまでもバカみたいに幼なじみ、幼なじみって頭可笑しいんじゃないの!?
アンタなんかと関わってると、こっちはロクなことねぇんだよ!!」
あたしは、そのまま悠に背を向けて駆けだした。
ムカついて、ムカついて、どうしようもない。
道端に捨てられたジュースの空き缶を蹴りあげる。
空き缶はバカみたいな音を立てて転がると、花壇の植え込みの中へ吸い込まれていった。