あの夏を生きた君へ
「じゃあ明日な!厳しく教えるから覚悟しとけよ!」
「あー明日も無理。お父さんとお母さん、家族三人でデートなの。」
「…………。」
悠は頭を抱えてしまった。
「明後日は?」
「ていうかさぁ、悠って相当あたしのこと好きだよねー。」
「はっ!?」
「あたしのために頭良くなろうとか、あたしに負けないように足速くなりたいとか?
あたしに憧れてたってのも告白として受け取っておくよ。」
たちまち悠の顔が真っ赤になる。
「おまっ…バッカじゃねぇーの!バーカ!!」
足早に歩きだした悠の後ろで、あたしはクスクスと笑った。
「悠ー!待ってー!」
「待たない!」
「悠ってばぁ。そんなに恥ずかしがんなよっ。」
「恥ず!?は、恥ずかしがってねぇーよ!!」
慌てる悠が可笑しい。
面白すぎだっつーの。