あの夏を生きた君へ






雲一つない青空、
爽やかな風が朝の町を吹き渡っている。






「“果てしなく続く人生であるように”。」


悠が言った。




心の中で呟いてみる。


“果てしなく続く人生であるように”。




「…良い名前だね。」


生まれてきた命への願いだ。






「あっ!遅刻!学校!」


「あ!うわっ!ちづがまったりしてるからっ!」


「自分だって!!」






進め。




進め。




進め。








顔を上げて。

前を見て。








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