あの夏を生きた君へ






玄関までの、石畳の小道を歩く。

その周囲には小石が敷き詰められている。






「あっ!」


「どうかしたか?」


「あれって…。」



あたしの視線の先に、
真っ白な花を咲かせた木があった。


悠が、微笑みながら言う。


「ハナミズキだよ。
リビングから見えるんだ。」






立派なハナミズキに咲く花は、雪が降り積もっているように見えた。


あたしは、その光景を見て懐かしくなる。








「綺麗ね…。」








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