あの夏を生きた君へ
「…ねぇ。」
深くなんて考えてない。
ただ、彼に同情しただけなのかもしれない。
でも。
大好きなばあちゃんに、あたしも見せてあげたいと思った。
タイムカプセルに詰め込んだ宝物を。
いつでも会える、なんて何の確証もないから。
最後、かもしれないから。
あたしはまだ、ばあちゃんに何のお礼も恩返しもしてない。
「お願いがある。」
ばあちゃんの言うとおりだ、
この人は綺麗な瞳をしてる。
「宝物、あたしも探させて。」