そらぐみ
瀬野は横目で睨みをきかせ、ため息を吐いた。
視線の先にはコンビニの袋を手に微笑む上野。
『毎日毎日、何しに来んだよ。
アタシの貴重な時間邪魔しないで。』
上野はそんなことお構いなしに、瀬野の隣に座り込みコンビニの袋からコロッケパンを手に取った。
「これうまいんだよ。
お前も食え。」
そう言って、もう1つを瀬野に渡そうと手を伸ばした。
瀬野は無言でその手を払い、先程までと同じように空を見つめる。
それは上野が初日に心奪われた真っ直ぐな瞳だった。