そらぐみ

ここから……。


瀬野は手すりから身を乗り出し、できるだけ彼女に近づこうとした。


そのときだった。


「悪い、待たせたな。」


片手を上げ陽気に近づいてくる人影に、瀬野は無言で鋭い視線を向ける。


その視線に微笑みで返すのは、手紙の送り主でもある上野。


「やっぱり屋上は気持ちがいいな。」

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