Addict -中毒-
イエローカード
**イエローカード**
一部のスポーツにおいて悪質な反則、行為を行った選手に対して審判が警告を宣するときに提示する黄色のカードのこと。
そう、私がとった行動は反則行為だったのだ。
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「えぇ!?私と居たことに!?」
上品な香りのするコーヒーを一飲みして、萌羽は目を丸めた。
六本木にある高級ホテルのラウンジで、萌羽と会ったのはあれから三日後のことだった。
あの翌日の朝、蒼介は別に変わったところはなく普段通りだった。
綺麗に髭を剃り、きちんとアイロンの行き届いたワイシャツに着替え、それほど高級でない軽自動車に乗り込み、大学に向かっていったのだ。
「それってアリバイって言うの?」
と萌羽は目を細めたが、口調はどこか楽しそうだった。
蒼介がわざわざ萌羽に確認するとは思えなかったが、万が一のことを考えてのことだった。
『アリバイ工作』なんて高校生以来だ。
あのときも、友達の家に泊まるなんて嘘をついてよくお泊りに出かけてたっけね。
懐かしいのと、それでいて嘘をついたことに後ろめたさを覚え
私の中は複雑に歪んでいた。