Addict -中毒-
その後三週間―――、啓人とは会っていない。
連絡もしていない。
向こうからもこない。
私は意図的に―――連絡をしない、会いに行くことをしないって決めていたけれど、啓人の方はどうなのかしら。
やっぱり私は数多(アマタ)いる女の一人に過ぎず、都合のいい女と会っているのか。
それとも私の最後の拒否の言葉が効いているのか……
でもたぶん前者ね。
そう思うと、心臓がねじれるような痛みを感じて苦しくなった。
蒼介には、相澤との出来事を喋ってはいない。
相澤も蒼介には何も言っていないらしく、蒼介から啓人の存在を知らされることはなかった。
蒼介はたまに家に帰ってくるけれど、会話は取り留めの無いものに留めている。
彼と同じベッドで眠っても、夜の営みはなく淡々と日々は過ぎていった。
そんな中、マダム・バタフライのママから連絡があり、来月の神流グループのパーティーの参加について色良い返事を聞かせて欲しい、とせっつかれ
熱心なママのお誘いに、私もとうとう「参加する」旨の意向を唱えた。
そして私の運命を変える夜が
やってきたのだ。