Addict -中毒-
何だ……
気にしてくれたのね。
一週間連絡を放置してたことを、少しでも気に病んでくれたのね。
でも
「言い訳にはまだまだ点数が足りないけど、良しとしましょう。いいわよ、行ってあげても」
素直じゃない、可愛くない私が減らず口をつく。
それでも啓人は電話の向こうで低く笑った。
その声音が楽しそうで、色っぽいのに、少年のような無邪気な声に聞こえた。
『お付き合いのほど宜しくお願いいたします♪』
―――
翌日私は朝一番で義母の病室を訪ねた。
午後から用事があることを伝えると、義姉が「気にしなくていいんですよ」なんて言ってくれて、
いつもならそれをただの親切心に取るか、嫌味にとらえるか考えていたところだけど、
私は前者であることを祈って、病室を辞去した。