Addict -中毒-




何だ……


気にしてくれたのね。


一週間連絡を放置してたことを、少しでも気に病んでくれたのね。


でも


「言い訳にはまだまだ点数が足りないけど、良しとしましょう。いいわよ、行ってあげても」


素直じゃない、可愛くない私が減らず口をつく。


それでも啓人は電話の向こうで低く笑った。


その声音が楽しそうで、色っぽいのに、少年のような無邪気な声に聞こえた。





『お付き合いのほど宜しくお願いいたします♪』





―――



翌日私は朝一番で義母の病室を訪ねた。


午後から用事があることを伝えると、義姉が「気にしなくていいんですよ」なんて言ってくれて、


いつもならそれをただの親切心に取るか、嫌味にとらえるか考えていたところだけど、


私は前者であることを祈って、病室を辞去した。












< 246 / 383 >

この作品をシェア

pagetop