Addict -中毒-
クリスマスイブ―――……
「は?」
それが何を意味するのか分かっていたくせに、私は間の抜けた答えを返してしまった。
『いや、だからね。24日のクリスマスイブ空いてないかな~って思って。旦那どうせ帰ってこないんだろ?』
そう聞かれて、私は目をぱちぱち。
確かに蒼介は帰ってくる予定ではない。クリスマスもゴールデンウィークもお盆も…さすがに正月は稼動していないけれど、
研究室に詰めっぱなしだ。
念のため壁に掛けてあるカレンダーを確認すると、24日は“休”印が打たれていなかった。
「どうしたのよ、急に。クリスマス用の女を調達できなかった?」
啓人がどんなつもりで誘ってきているのか分からず私は探るように意地悪で聞いた。
『バァカ。それこそクリスマスイブに誘ったら勘違いしちまうだろ?そんな面倒なことイヤ』
この男は……
どこまでも身勝手なのよ。
しかも
バカとは何よ。年上に向かって。
「私が勘違いしないって保障はあるの?」
呆れたように言って吐息をつくと、
『別に勘違いしてくれてもいいケド?
気付いてなかった?俺紫利さんのこと結構気に入ってるんだ』
とさらりと答えが返ってきた。