Addict -中毒-
白いワイシャツ
**白いワイシャツ**
「ぶっ壊してやりてぇな」
初めてベッドを共にして、行為のあと彼は私を胸に抱きながら
一言言った。
随分物騒な言葉だ。
情事のあとの甘い睦言にはあまりにも似つかわしくない……
彼はいつだって笑顔だった。
いつも元気過ぎるぐらい、元気。
若さなのか、それとも元来が楽天家なのか、いつも疲れをちっとも滲ませない。
でも時折彼が見せる
冷たい凍りつくような視線。
何もかも遮断するような、射る様な視線。
その視線が何を意味するのか分からない。
このときも私は彼の心の内を知ることは―――できなかった。