野球少年と私
笑顔であり続けよう。それを望む人が私の隣にいる限り。
私は東堂 美希。
ごく普通の中学校に通う、
ごく普通の中学2年生。
「はよ、美希!」
『あー、竹本おはよ!』
今朝も いつも通り ある男と家の前で挨拶をかわした。
ニカッと笑う彼の名は
竹本 章平。
背が180センチ近くあるので私が竹本を見上げなくてはならない。
『(小さい頃は私と同じくらいの身長だったのにー)』
気づけば あっという間に抜かされて、なんだか悔しい。
そう、私達は幼なじみだ。
家が隣同士なので、毎朝のように一緒に学校へ通っている。
「今日も良い天気だなー」
綺麗な青空を見上げて微笑む竹本。
私は、そんな笑顔の彼に見惚れていた。
『(今日も爽やかだなー…)』
幼なじみと言う存在。
最近、気づかされた。
私が竹本に恋してるって──…
小さい頃から ずっと一緒だったから、傍に居る事が当たり前になっていたかもしれない。
*