野球少年と私
竹本side
今日は川田達と帰るのを断って、美希を誘った。
『竹本と帰るなんて久しぶりだねー!』
「だなっ!ほとんど俺部活だし」
『そういや、何で今日は私と帰ろうなんて思ったの?』
「んー?」
別に意味なんてなかった。
ただ、少しでも美希と一緒に居たい…
そんな、ちっぽけな理由じゃダメなのか?
「なんとなく…だな」
『あはは☆何それ〜!』
そんな、俺の想いを心に秘め、ただ笑い合った。
それだけで、俺は すげー幸せだった。
『あ、公園寄ってかない?』
「…何だよいきなり。
まぁ良いけどな」
美希の思うがままに連れられた公園。
『急にブランコ乗りたくなったぁ!』
「本当に急だな(笑)」
キィ…とブランコの音が静かな公園に響く。
『ねぇ、竹本?』
「んー?」
『来週の日曜日って野球の大会だったよね?』
「おう!覚えててくれたんだなーさんきゅ!」
そう、美希の言った通り、大会がある。
前にチラッと言っただけだったから覚えていてくれたのが すげー嬉しかった。