野球少年と私
美希はブランコをこぐのをやめて、座ったまま正面に立っている俺を見上げて言った。
『応援しに行くから頑張ってね♪』
「(…っ…//)」
あ、やべ…
すげー可愛い。
ブランコに座っている美希は必然的に上目使いで俺を見上げていて…
プラス、その笑顔は反則。
何だよ
何だよ、
ずりーぞ美希。
そんな可愛い顔で見上げんなよ
いつもの俺だったら、
「じゃぁホームランたくさん打たなきゃなー」
とか言ってるだろうけど、
今の俺には そんな余裕なんて無い。
『…どうしたの?竹本』
首を傾げて俺に尋ねる。
そんな些細な仕草でも愛しく思えて…
俺の理性は ぶっ飛んだ。
「美希…」
俺の胸の鼓動が段々と速まってゆく…
それと同時に、無意識に美希に近づく、俺の唇。
『た…竹本っ?//』
あと数センチ、と言う時に止めるように聞こえたのはアイツの声だった。
「ち…ちょっと待て!!」