野球少年と私
いきなり現れたソイツに胸ぐらを掴まれた。
思いっきり胸元を引き寄せられる。
「……何だよ、滝口」
ハァハァと息が上がっている滝口を睨んだ。
胸ぐらを掴まれる理由が分からなかったから。
「いいい今、東堂に何しようとした…?」
「何って…
……キス?」
ふと美希を見ると、頬を赤く染めて俯いていた。
滝口side
何だよ
何だよ、
やっとアイツらを見つけたと思ったら滝口のヤローが東堂に段々と近づいてるじゃねーか。
焦った俺は、後先 考えずに二人の所に走った。
思わず竹本の胸ぐらを掴む。
「……何だよ、滝口」
何だよ、じゃねーよ馬鹿。
竹本は、少し驚いた顔を見せたが、
すぐに暗い表情になった。
今まで見てきた竹本の笑顔じゃ想像出来ない程、竹本が俺を睨む視線が痛々しかった。
「いいい今、東堂に何しようとした…?」
焦りながらも、ちゃんと言葉を表す。
「何って……キス?」
「…っ…!!!テメー…」
ヘラっと笑う竹本がいつも以上にムカついた