野球少年と私





怒りが抑えきれず、殴りかかろうとしたら 竹本に腕を掴まれ簡単に止められた。




「滝口には関係ないだろ?」


「あ"ぁ…?」






「俺が美希と一緒に帰ろうが、俺が美希にキスしようが、滝口には関係ねーだろ?って」



顔は笑っているけど、目が笑っていない竹本。





「関係ねーわけ無いんだよ…」





だって
だって



俺は美希が…






「お、俺は…東堂の事が…
『待って!!』



その続きを言おうとしたが、東堂に止められた。




『あ、あの私……頭の中が
ぐちゃぐちゃで…

とりあえず、滝口と話がしたいんだけど…』


「…そっか、
じゃぁ俺 先帰るな…?」



そう言って竹本のヤローは俺のほうを向いた。



「さっきはカッとなっちまって悪ぃ!
俺、少し周りが見えなくなっててよ…」



いつもの野球馬鹿の笑顔に戻った。


絶対に悪いのは俺なのに、先に謝られてしまった事に少し罪悪感を感じる。



「…いや、俺のほうこそ悪かった。
いきなり喧嘩売ってホントわりぃ…」


「ははっ!そんな謝んなって!
じゃ、帰り美希を送ってやれよ」



「おう…」


*
< 15 / 39 >

この作品をシェア

pagetop