野球少年と私
怒りが抑えきれず、殴りかかろうとしたら 竹本に腕を掴まれ簡単に止められた。
「滝口には関係ないだろ?」
「あ"ぁ…?」
「俺が美希と一緒に帰ろうが、俺が美希にキスしようが、滝口には関係ねーだろ?って」
顔は笑っているけど、目が笑っていない竹本。
「関係ねーわけ無いんだよ…」
だって
だって
俺は美希が…
「お、俺は…東堂の事が…
『待って!!』
その続きを言おうとしたが、東堂に止められた。
『あ、あの私……頭の中が
ぐちゃぐちゃで…
とりあえず、滝口と話がしたいんだけど…』
「…そっか、
じゃぁ俺 先帰るな…?」
そう言って竹本のヤローは俺のほうを向いた。
「さっきはカッとなっちまって悪ぃ!
俺、少し周りが見えなくなっててよ…」
いつもの野球馬鹿の笑顔に戻った。
絶対に悪いのは俺なのに、先に謝られてしまった事に少し罪悪感を感じる。
「…いや、俺のほうこそ悪かった。
いきなり喧嘩売ってホントわりぃ…」
「ははっ!そんな謝んなって!
じゃ、帰り美希を送ってやれよ」
「おう…」
*