野球少年と私
04話.揺れる想い
『今の、って雫…だよね』
ふと、この間 雫が呟いた言葉が頭に浮かんだ。
─『やっぱ格好良いなぁ…
滝口くん☆』─
雫が滝口を見る目は凄く優しくて、まさに恋する女の子みたいだった。
─『そっか…好きなんだね
滝口の事』─
─『うん!めちゃくちゃ好みだし☆お互い頑張ろ、美希!』─
─『そうだね』─
雫の好きな人は…滝口。
知ってたのに
分かっていたのに
『私…最低かも』
自分の好きな人が、
自分の親友に告白してる所なんて…
そんなの見たくないに決まってるじゃん。
追いかけなくちゃ。
「美希…?」
『ごめん滝口、私行くね!!
また明日!』
「ぇ…行くってドコに…
…ってオイ!」
私は滝口の話を最後まで聞かずに公園を飛び出した。