野球少年と私
「……美希?」
『へ?』
いきなり竹本が私の顔を覗いてきたので びっくりした私は、拍子ぬけた声を出してしまった。
「ははっ!美希って おもしれー!」
『なっ…竹本が急に話しかけてきたからじゃん!
…で、どうしたの?』
「ん?いや、ボーっとしてたから 何かあったのかと思ってさ」
元気みたいだから安心した。
そう言って竹本は また歩き出した。
ちょっとした事で気遣ってくれる…
そんな小さなことでも凄く嬉しかった。
『(好き…だなぁ)』
改めて思う。
私は、小さい頃から竹本と一緒だったけど
こんな気持ちになった事は最近が初めて。
少し先に居る竹本の背中を見つめた
年が重なるごとに竹本は段々と背が伸びてきて
顔もさらにカッコ良くなっちゃって…
いつの日にか芽生えた私の恋心。
その気持ちは大きくなるばかり。
ねぇ竹本。
貴方は、
私の気持ちに気づいていますか?