野球少年と私
『明日、野球の試合だからって かなり気合い入ってるみたい!』
竹本の話をすると、自然に声のトーンが上がってる事に気づく。
それは、竹本に恋してるからって思っても良いのかな─…
『私、明日応援しに行くんだぁ』
「…」
少し日が暮れて、オレンジ色に染まっている空は、この静がな教室に合っている。
しばらく外を見ていたら、いきなり誰かの大きな声が聞こえた。
─おい、竹本!大丈夫かっ!?─
校庭から聞こえた男子の声。
『……竹…本…?』
名前の聞こえた人物に視線を向けると、
そこには
肩を押さえて しゃがみこんでいる竹本の姿があった。
「なっ……竹本のヤローどうしたんだ!?」
滝口の声と同時に竹本の周りに部員たちが集まる。
バカな私でも大体は予想がつく
誰かの投げた野球ボールが竹本の肩に直撃した─…?
『た…け…もと』
私、行かなきゃ…
竹本の傍に。
何だろう この気持ちは。
今 私…
凄く竹本が恋しい。
バッと後ろに向きを変え 教室のドアに向かおうとしたら、滝口が私の腕を掴んで止めた。
「行くなよ」