野球少年と私
何だよ
何だよ…
今、無性に竹本が恋しい。
『竹本…
私、竹本に伝えたい事があるんだ』
ずっと胸に隠してた
小さい頃からの想い。
「そっか…。じゃあ、とりあえず上がってけよ。
俺の部屋で話そうぜ?」
目の前にある自分の家を指差す竹本。
私は、手を引かれながら中にお邪魔させてもらうことにした。
『竹本の部屋…久しぶりだね』
「おお。
ガキの頃以来だなー…」
久しぶりに入った竹本の部屋は
前に見た時と あまり変わってなくて、まさに男の子の部屋って感じだった。
「そーいや美希、俺を待ってる時 滝口と一緒に居ただろ」
『え…?うん』
「教室って、校庭からでも良く見えるんだなー。
…滝口と一緒に居る美希見たら
何かスゲーむかついた」
えっ──…?
それって…
「好きだ、美希」
まっすぐに私を見てくれている竹本の瞳。
私の胸は これ以上ない位に
高鳴っていた。
ヤバい…
凄く嬉しい。
『えへへ…
…先に言われちゃった』
私が言おうとしてたのに。