野球少年と私
「付き合ってるの?」
『…たっ、ただの幼なじみだよ?』
「…ま、応援してるから頑張れ♪」
雫の笑顔につられて私も笑顔になった。
“付き合ってるの?”
そうだったら良いのに…
だって大好きなんだもん。
「あのさ……美希って竹本君の事“竹本”って呼ぶよね」
『え?…うん』
急に雫に言われた
竹本の呼び方
「幼なじみなのに?」
『前は……名前で呼んでたんだけど』
小さい頃は竹本の事を章平って呼んでいた。
でも、それは昔の話。
「何で今は“竹本”なの?」
『だって……恥ずかしいんだもん///
皆、名字で呼んでるから…』
いつの間にか、章平と呼ばなくなった。
周りの目を気にして。
「そっか…」
『んー』
ふと竹本の方へ顔を向けた
竹本は、同じクラスの川田君や滝口たちと笑い合っている。
『(やっば… カッコ良すぎ、あの笑顔…///)』
何度見ても同じ事を思ってしまう。
それくらい君に惚れてる。