野球少年と私
「美希ー?何ニヤニヤしてんのよ〜」
雫が私の頬をつつきながら言った。
『に…、ニヤニヤなんかしてないもん!』
必死にさっきの顔を否定した。
そんなに分かりやすい?私。
「クスッ…頑張りなよ?美希」
『ん、ありがと』
この気持ちを大切にしたい。
雫の応援で心強くなった。
竹本と傍に居られる…
それは幼なじみの特権だけれど、好きと言う気持ちを伝えられないのは
"幼なじみ"であるからこそ。
近いようで遠い私達の距離。
竹本…、君にとって私はどんな存在ですか?
ただの幼なじみ…?
竹本の"トクベツ"になりたい。
君の瞳には私だけが写っていてほしい。
そう思うのはいけない事ですか──…?
『(竹本ー……)』
楽しく喋っている竹本を見て
想った。
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