記憶の中で… 2
「ちょっと何してんのよ?早く下りて来なよ。」
「わっ、引っ張んな。危ねーな。少しぐらい心の準備…。」
「何が準備よ!!前々から言ってあったでしょ。往生際の悪い男ね。しっかりしなさい!!」
「ほらみろ。俺と同じ事言われてんじゃん。ホレホレ…。」
「え…や、おい!」
上からヒソヒソとやり合ってる声がする。全部丸聞こえなんだけど…。ユウキとシオリちゃん以外に誰かいるのかしら。
リビングのドアからユウキとシオリちゃんが顔を出した。
「ユキちゃん。ユウ兄と私からプレゼントがあるの。今から渡すからちょっと目閉じてて。」
「プレゼント?うわあ、嬉しい。何?何?はい。目閉じたよ。」
「じゃあ、10数えたら、『もういいかい?』て言ってね。」