記憶の中で… 2
「分かった。いい?いーち、にー、さーん……じゅう!もういいかい?」
「もういいよ!」
俯いて閉じていた目をゆっくり開けた。
誰かの足元が目の前にある。少しずつ視線を上げて見上げた先には、懐かしい顔が見えた。
これは…夢?
ううん。ユウキがふざけてるの?
そんな事を考えても、頭の中では答えが出てる。
目の前がぼやけてよく見えない。もっとよく見てみたいのに、それができない。
そんな時、上から声が降ってきた。
「ユキ。ただいま。」
一番聞きたかった声だった。