記憶の中で… 2
「ナ…ツ…キ?」
「うん。」
「私…騙されてるの?」
「誰も騙してないよ。」
「夢を見てるの?」
「寝てたのかよ?」
「ううん。起きてた。」
「じゃあ、違うな。」
思わず抱きついていた。
「会いたかった…。会いたかったよお…。う…うう…。」
ナツキはじっと立ったまま、しばらく泣かせてくれた。
背中をポンポンしながら、泣かせてくれたんだけど…。
「おい、いい加減離せよ。お前の涙で服ぐしょぐしょ。気持ち悪いよ…。」
「え?…あ、ごめん。エヘヘ…。」
「泣きながら笑うなよ。変な顔。」
「だって…う…。」