記憶の中で… 2
「そうだよ。お腹が出る程食べたんだから。」
「スゲーな。じゃあ、俺今日は51皿食べる。」
「クスクス…対抗意識剥き出しじゃん。お腹壊しちゃ元も子もないよ。程々が一番!」
「いいよ。俺が腹壊したら、ユキに介抱してもらうから。」
「あら。する訳ないでしょ。私がするのはナツキだけよ。」
「うっぜ。分かったからノロケんの止めて。」
食事を終えて車で帰る途中、私とナツキだけ降ろされた。
「ありがと。気をつけて帰って。じゃな。」
ナツキは皆に声をかけて車を見送った。
何で降ろされたのかちっとも分かんない。第一、ここはどこなのよ?
後ろにそびえ立つ建物を見上げた。
「おい。何お上りさんみたいに口開けて見てんだよ。行くぞ。」
ナツキはズンズンとその建物の中へ入って行く。慌てて後を追った。