記憶の中で… 2
幾分ユイちゃんは膨れて、俺たちはそそくさと家を出た。
「ユイちゃんには敵わねえや。」
「まさかあんな風に言われるなんてね。これから益々家では一緒にいれなくなるんじゃない?」
二人でため息を吐いた。
これがドイツの家だったら、誰も何も言わねえのに…。
思わず愚痴が零れた。
それからというもの、家では普通にキスもハグもせず過ごし、反対に学校とか外で、人目を盗んではこっそりやった。
非常階段の下、体育倉庫の裏、自販機の影、…そして屋上。
いつしか学校では超有名なバカップルになっていた…らしい。