記憶の中で… 2
第一章
4月
俺たちは二年生になった。
名前も一ノ瀬から高島に変わって、やっと元に戻ったような感じだ。
記憶もちぐはぐな部分がなくなって落ち着いた。
毎朝ユキと一緒に登校して、授業が終わると一緒に帰る。
回りからは、「付き合ってるの?」なんて聞かれて、「うーん?」と答えてる。
「付き合ってないの?」と聞かれても、「うーん?」としか答えられなくて、「どっちだよ?」と言われる始末。
はっきり「好きだ。」と言った事も、「付き合って。」と言った事もない。
俺たちの関係…て一体何なんだろ。
俺がはっきり言わないから、ユキも何も言わないのかな…。ユキは俺の事どう思ってんだろ。…気になる。ただの幼なじみではないんだろうけど。