記憶の中で… 2
『そう。何とかやってくれてるのね。あの、ユキは電話に出れそう?』
「ちょっと待って下さいね。ユキ、おばさんが替わってくれって。鍋、俺がみるよ。」
「ん、ありがと。…はい、何?お母さん。うん…うん、分かった。私たちは大丈夫だから。あ、おばあちゃんにお大事に、て伝えて。うん、それじゃ。」
「おばさん、何だって?」
「おばあちゃん、家の中で転んで右手骨折したんだって。不便だから今日は泊まってくるって。お父さんは直接赴任先へ行くから、こっちには帰らないって。」
「ふーん。おばあちゃん、大丈夫なのかよ。」
「うん。骨折だから他は元気だし、口も達者だって。」
「ハハハ…口も達者か。」
「うん。クスクスクス…。」