記憶の中で… 2
「お前、飛行機乗ったら絶対寝ろよ。」
「何で?」
「時差ボケんなるし、それに、ちょっとはその口静かになんだろ。」
「何よー!!」
更に膨れた。
飛行機に乗るまでの時間をこうしてユキと過ごすのも、煩いながらも悪くないと思っていた。
ドイツの空港に降り立った。
父さんたちが迎えに来てる筈だけど…。
キョロキョロしてると、「ナツキ!!」と声がした。
見ると笑顔の母さんが両手を広げ、迎えてくれた。
「久しぶり、ナツキ。」
「母…さん?本当に母さん?」
随分元気になっててビックリした。ドイツへ発った時より更に明るい笑顔で嬉しくなった。
「そうよ。元気そうね。ナツキ、よく顔を見せてちょうだい。しばらく見ない間に、何だか大人っぽくなったわね。」